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デビットカードとプリペイドカードの拡大 -インフキュリオン決済動向調査2017-

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日本のさらなるキャッシュレス化には、国際ブランドデビットカード(以下ブランドデビット)と同プリペイドカード(以下ブランドプリペイド)からの貢献が不可欠です。今回は当社独自リサーチの最新の結果に基づいて、ブランドデビットとブランドプリペイドの拡大トレンドを示します。

sahuad/Bigstock.com

デビットとプリペイドへの期待

日本クレジット協会によると、2016年のクレジットカード取扱高(クレジットカードショッピングの信用供与額)は53.9兆円に達しました。民間最終消費支出300.1兆円のうち18.0%をクレジットカード決済が担っている計算となっています。

クレジットカードの取扱高は、2013年からの3年間だけでも約28%の成長を遂げています。

また、日本のもう一つの主要キャッシュレス決済手段である電子マネーも拡大を続けており、2016年には初めて取扱高が5兆円を突破しています。

順調に拡大している日本のキャッシュレス化ですが、米国や欧州などの「キャッシュレス先進国」に比べえると、日本のキャッシュレス決済利用は低い水準にあります。その要因の一つにあるのが「クレジットカード一本足打法」とも言うべき、クレジットカードへの過度の依存です。

キャッシュレス化で先進している国では、デビットカードやプリペイドカードの取扱規模がクレジットカードに匹敵するレベルにあり、それがキャッシュレス決済の普及に大きく貢献していることが多いのです。

国内でも発行が相次いでいるブランドデビットについては、日本銀行が「最近のデビットカードの動向について」というレポートを公表しています。それによると発行枚数は4年連続で増加し、2016年末には500万枚を突破、取扱高と取扱件数も2010年以降6年連続で増加しているとのことです。

また、ブランドプリペイドも、携帯キャリアや小売、ECなど大手の異業種プレイヤーによる発行が目立っている状況で、決済業界においても一定の地位を確立するに至っています。

日本のさらなるキャッシュレス化においては、クレジットカードと電子マネーに加えて、ブランドデビット、ブランドプリペイの定着と利用拡大が望まれます。これら4種のペイメントカードについては個別に利用動向が公表されていますが、今回は4種のペイメントカード全体を俯瞰する当社リサーチ結果の一部を紹介し、日本のキャッシュレス化状況について考察しようと思います。

参考情報:

デビットとプリペイドの拡大

今回紹介するのは、「インフキュリオン決済動向調査」の一部です。2015年から毎年行っており、2017年3月には3回目の実施となりました。2016年調査の結果の一部はこのインフキュリオン・インサイトでも紹介していますが、2017年データと組み合わせることで、日本のペイメントカード利用動向がより明らかになったと思います。

下に示すのは、2015年から2017年のペイメントカード利用動向です。

(「インフキュリオン決済動向調査」より)

これは20000人を対象とするWeb調査において、クレジットカード、電子マネー、ブランドデビット、ブランドプリペイドのそれぞれについて利用の有無を調査した結果をグラフ化したものです。

日本人が最も使っているペイメントカードはクレジットカードと電子マネーであることに変化はなく、それぞれ約76%と約45%の人が「利用している」と回答しています。

2年間で利用率にあまり変化のないクレジットカードと電子マネーに対して、ブランドデビットとブランドプリペイドは明らかに拡大傾向にあります。それぞれ「利用している」と回答した人は7.1%と7.6%と絶対数は大きくありませんが、2015年からの2年間で約2倍に拡大しています。

日本のさらなるキャッシュレス化の推進では、ブランドデビットとブランドプリペイドによる新規ユーザ掘り起こしが期待されていますが、両プロダクトともその期待に十分に応えていっていることが見て取れます。

次回記事では、そんなブランドデビットとブランドプリペイドの利用者像について考察します。

関連インサイト:

(インフキュリオン シンクタンク事業部 森岡剛)

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