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サプライチェーン金融とSME資金繰り支援

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Morganka/Bigstock.com

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最近注目を集めた貯金アプリ「finbee」など、金融を身近なものにしてくれる様々なFinTech(フィンテック)サービスが出揃ってきた日本。海外のFinTechポートフォリオと比べると、まだギャップがあるように思えるのが中小事業者(SME)支援の領域です。

例えば経済産業省における2015年の「FinTech研究会」においても、「FinTechは企業の資金調達のあり方をどのように変えるのか」が重要論点の一つでしたが、今のところこの課題に対する明確な解は得られてないというのが現状です。

実はFinTechによるSME支援はグローバルで未解決のニーズであり、その解決を狙った様々なスタートアップ企業が活動している領域でもあります。

今回は、海外における「サプライチェーン金融(supply chain finance)」におけるFinTechの動向を紹介します。

SMEの資金繰り

企業間(BtoB)取引の支払いが、請求書という書類ベースで行われているのは日本でも海外でも同じこと。支払い期日は30日から60日が一般的なので、規模も小さく立場も弱いことが多い受注側(サプライヤー)のほうに資金繰り負担が増える構造になっているのも共通の課題です。

そこで、請求書を発行した時点で発生した売掛債権を、早期に現金化するというサービスは既に銀行や金融業者が行ってきました。英語圏では「サプライチェーン金融」と呼ばれており、主に製造業界や小売業界を対象としてきました。しかし、書類ベースで審査に時間がかかること、小粒の案件ではハンドリングコストが大きいことなどが阻害要因となって、広く普及したとは言えない状況が今も続いています。

しかしFinTechの登場でその状況も変わりつつあると、英国The Economist誌が報じています。伝統的プレイヤーと違い、FinTechスタートアップは、IT活用で利用のハードルを下げ、幅広い領域の事業者を対象に多数の案件をさばくことが可能になっているというのです。

The Economistは、このような動きは経済のグローバル化によってサプライチェーンが長大化・複雑化・クロスボーダー化している現在においてさらに意義深いとしています。

現在、海外のサプライチェーン金融では以下のような企業がサービスを提供しています。請求書の電子発行、受注側に対する早期現金化などがWebで完結できる機能を提供しているのは共通です。特に売掛金の現金化では、支払日を自由に設定することができ、それに合わせて手数料(金利)を算出することができるなど、SMEのニーズに柔軟に対応していると言えるでしょう。

日本のBtoBにおいては、請求書、手形、電子記録債権といった手段がありますが、それぞれ使い勝手や普及度に問題があるのが現状です。

消費者向けサービスはほぼ出揃った感のある日本のFinTech。BtoBの領域では今後、どのようなイノベーションを起こしていくのでしょうか。

参考情報:

(インフキュリオン シンクタンク部門 森岡剛)

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