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フィンテックとAPI連携

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percent/Bigstock.com

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3分でわかる「API」

日本におけるFinTech(フィンテック)への関心の高まりとともに、よく聞かれるようになった「API」。「API連携」や「銀行API」、「金融API」、そして「API経済圏」などといった聞きなれない語によく含まれています。

APIとは「Application Programming Interface」の略。一般に、ソフトウェアというのは、相互に呼び出し合うプログラムの集団で出来ているのですが、その呼び出し方法をAPIと言います。APIを介して、複数のプログラムは、共通の目的を持ったソフトウェアとして機能することができるようになります。

会社組織を例にAPIを説明してみましょう。何か業務をするときに、1人で全てを完結することは稀で、たいていの場合、担当の異なる複数の従業員が連携してタスクを遂行するこになります。各担当者が「プログラム」で、他の担当者に仕事を依頼するそのやり方が「API」、そして複数従業員で成り立つチームが「ソフトウェア」だと思えばよいのです。

APIという概念自体は大変古いものですが、クラウドやモバイルの普及によって、様々なコンピュータシステムが相互に連携する機会が増えたため、API連携によるサービス提供の機会が過去5年間で爆発的に拡大しました。現在、12000のAPIがWeb上で公開されていると言われ、これは2006年から30倍に増大しています。

上記の数字は以下が出所:

APIを公開するのはなぜ?

APIを公開すると、企業は、自社のITシステムが持つデータやサービスへの外部からのアクセスを許可したことになります。それでは、なぜFinTechに絡み、金融機関もAPI開放すべきという議論がなされているのでしょうか?一般に、API開放には大きく二つのポイントがあります。

  1. 自社が保有するデータやシステム機能を有償で提供することで、既存ITシステムを収益源に変えることができる。(これはビジネスモデルに大きく依存します。)
  2. 自社のデータやシステム機能を組み込んだ新サービスを、外部者が創ってくれるようになるという、オープンイノベーション効果が狙える。(収益化についてはこれもビジネスモデルが必要です。)

金融以外の企業ですと、Google、Twitter、Facebook、Netflix、eBayなどは1日に10億回以上のAPI呼び出しを処理しています。例えばGoogle Mapを埋め込んだサービスなどはAPI連携によって実現されています。

金融分野では、例えば金融情報サービスのトムソンロイター。2015年には、同社のデータフィードやサービスにアクセスできるElektron という名のAPI群を公開しています。また、金融データフィードに関するFinTechスタートアップとしては米国Xignite社があり、FinovateFall2015に登壇しています。

参考情報:

API連携でのフィンテックサービス事例

インサイト記事「FinovateSpring2016に見る米国フィンテックの動向」では、「FinovateSpring2016ではすでに、APIによる異業種リアルタイム連携を用いたサービスのデモが幾つか出ています。」と書きました。具体的には別の記事で詳しく紹介したいと思いますが、概要は以下のようなものがあります:

  • リアルタイム自動車担保融資のFinovafinancial店舗来店不要でスマホ完結の自動車融資に、API連携を活用。車両情報照会や審査をリアルタイムで実行。
  • リアルタイム住宅ローンのRoostify。確定申告アプリとの連携で、スマホ上での住宅ローン申込を円滑に完了させ、リアルタイムで与信審査。
  • モバイルバンキングを入口とする自動車購入と自動車ローンCUneXus。ローン事前審査完了済の顧客による、自動車探しと購入、下取り、自動車保険購入までを、APIによるリアルタイム異業種連携で実現。

金融サービス利用の裾野を広げ、金融業界を活性化させようという日本のFinTech。スマホはその重要なチャネルですが、データ入力などは大きな障壁です。上記の3社は、異業種とのAPI連携で、スマホ操作の煩雑さを低減し、よりよいUXを実現しています。

外部の異業種とのAPI連携を活用したサービスも出現している海外FinTech。日本においても、今後のAPIによるオープンイノベーションに向けて、大きく動いていく年となりそうです

※FinovateにおけるAPI連携についても後続の記事で具体的に紹介していこうと思います。ご期待ください。

(インフキュリオン シンクタンク部門 森岡剛)

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