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日本のフィンテック最新動向 (第5回FinTech Meetup報告)

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5th FinTech meetup

「フィンテック(FinTech)」とはFinance(金融)とTechnology(技術)を組み合わせた造語で、金融サービス領域で活動するIT系スタートアップの総称です。海外では大手企業によるフィンテック企業への出資や、既存大手金融機関とFinTech企業の提携などが活発化しています。日本においてもフィンテック関連ニュースが新聞等のメディアを飾ることも多くなってきています。

日本のFinTech業界関係者が集まって情報交換・ネットワーキングする場としてスタートした「FinTech Meetup」。当社インフキュリオンもスポンサー企業としてその運営の一翼を担っています。第5回を数えるこのイベントですが、参加者100人を超え、キャンセル待ちでご参加いただけない方も出るほどのイベントとして成長しています。

本稿では7月16日、(株)NTTドコモ及び(株)NTTドコモ・ベンチャーズの会場を借りて開催した第5回FinTech Meetupの概要を報告します。

 

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第5回となるFinTech Meetup。スポンサー企業はMoneyTree、boku、インフキュリオン、メリービズ、フィノベーションの5社です。上述のとおり、今回の会場スポンサーは(株)NTTドコモ及び(株)NTTドコモ・ベンチャーズ。赤坂のアーク森ビル31階の素敵な会場での開催となりました。

5th FinTech meetup-2

今回のテーマは「Ask the VC: Investing in FinTech in Japan」。Fidelty Growth PartnersのDavid Milstein氏をお招きし、日本のFinTech概況や同社のフィンテックへの投資姿勢について語っていただきました。

さて、当日の開場は18:45。軽食やビール、ソフトドリンクが並べられている中、集まってきた参加者はリラックスした雰囲気の中で歓談を楽しんでいます。元々フィンテック起業家/起業家予備軍の交流の場として始まったこのMeetup。肩肘はらないインフォーマルさがその特徴です。といっても、フィンテックへの関心の高まりを反映して、最近は100人規模の開場を確保してもキャンセル待ちが出るほどの盛況ぶり。また、起業家だけでなく、既存大手企業やメディア、政府関係者なども訪れる、フィンテック分野の重要イベントに育ちつつあります。

19:20にいよいよメインプログラム開始。会場スポンサーからのメッセージとして、まず(株)NTTドコモ ビジネス基盤推進室 ビジネス戦略担当部長の江藤俊弘氏が登壇しました。11年前におサイフケータイを開始したNTTドコモは「フィンテックの走り」とも言えますが、江藤氏ご自身もドコモの金融・決済関連分野において、DCMX、おサイフケータイ、送金サービスやVisaプリペイドなど豊富な経験をお持ちです。特に「モバイル×決済」は同社の重点分野でもあり、Apple Payなどのモバイル決済、CoinやPlastcなどのカード型デバイス(これらについては下記の過去記事も参照ください)、加盟店でのモバイル活用としてのSquareやPayPalHereなどに注目しているとのこと。今後もFinTech分野でのイノベーションに期待する、とのコメントで締めくくりました。

次に登壇した(株)NTTドコモ・ベンチャーズ ディレクターの北周一郎氏。同社はNTTドコモの100%子会社であるが、その役割は全NTTグループの視点からのスタートアップ支援である点を指摘。金融・決済分野における投資実績として(株)レピカ(https://www.repica.jp/)の事例、そしてドコモ・イノベーションビレッジのシード・アクセラレーション事例としてマネースマート社の事例を紹介しました。特に後者は邦銀初のウェアラブルデバイスによるサービス提供事例として注目を浴びているとのことです。

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そして最後に、Fidelty Growth PartnersのDavid Milstein氏が登壇。日本のFinTechにおける機会と課題についてプレゼンテーションを行いました。同社はグローバルに展開するFideltyグループであって、北米・EU・インド・中国・アジアなど全世界に展開するベンチャー投資部門との情報連携が大きな強み。日本における同社の戦略として、growth段階にある企業にフォーカスしており、成長ポテンシャルのある企業に絞って選択的に投資しているとのことです。投資家から集めた資金ではなく自社資金を投資するので、この投資方針に縛られているわけではないが、日本では初期段階に投資するearly fundは比較的充実しているため、growth段階にフォーカスしているとのことです。

聴衆が反応したのは、「ファンドでありながらIPOなどによるイグジットにはあまり興味ない」との言葉。これは、長く付き合っていける会社に興味があるとの姿勢の表明で、リターンを求めないわけではないとのこと(当然ですが)。投資判断には、長期的な視点で会社を大きくしていく機会があるか、を重視するという同社の姿勢を言い表したものでした。

また、同社は、日本のFinTechはまだ黎明期にあると見ているとのこと。特に他国に比べると、金融機関のバックエンド業務の支援という分野が抜けているのが特徴的とのことです。他国では、既存金融機関がバックエンド業務効率化に、FinTechスタートアップのサービス活用することもよくあるとのことですが、日本の金融機関にはそのような態度があまり見られないとのこと。しかしこれも今後は変わっていくかもしれず、大きな成長分野になる可能性を持っているとの指摘がありました。また、日本のフィンテックの現状としては、決済系分野に多くのプレイヤーがいると見ており、その分野でのスタートアップにとっては、わかりやすい差別化が必要と指摘しました。

メインプログラムを終えてからも、21:30まで会場はオープンしており、参加者たちは心行くまでネットワーキングと歓談を楽しみました。ますます活発化していくフィンテック。そのキーマンたちの集いの場であるFinTech Meetupは今後も続いていきます。次回は9月開催予定です。関心興味のある方、今後の参加を検討されてはいかがでしょうか。

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(インフキュリオン シンクタンク部門 森岡剛)

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