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米国動向:Apple Pay離脱とCurrentC

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Paha_L/Bigstock.com

Apple Payが米国にてサービス開始し、システム的な障害に関する報道もありましたが、それ以外にも大手小2014売のApple Pay離脱の動きも報じられています。離脱の背景には、これらの大手小売が参画しているマーチャント・カスタマー・エクスチェンジ(MCX)という共同事業体による次世代決済システム「CurrentC」の開発計画があります。今回はMCXとCurrentCの概要について論じようと思います。

以下の記事を参考にしています:
This Is How Walmart Can Win Its War With Apple (http://time.com/money/3541247/apple-pay-walmart-current-swipe-fee-war/

ウォルマートを始め、米国の小売業界はカード決済における手数料(売上から1%から3%)に強い抵抗を持っており、料率に関する訴訟などのアクションを取っています(訴訟はまだ解決していません)。ウォルマートなどの小売が欲しいのは、独自の決済システムでありブランドやイシュアに手数料を取られない方法です。それを自前で作ろうとしたのが、CurrentCです。

上記参考記事では、独自決済システムの2つの障壁として以下を挙げています:
障壁1:消費者に使ってもらえること
障壁2:決済コストを下げること

障壁1については、米スターバックスが2009年にプリペイドアプリをリリースし売上の11%がアプリ経由、毎週400万件以上のトランザクションという実績を出したことで新しい決済アプリを消費者に浸透させることが可能であることを示しました。

障壁2については、ターゲット社のREDcardという事例があります。一見するとデビットカード(銀行口座即時引き落とし)ですが、ブランドを経由せず決済コストをブランドクレジットの10分の1、ブランドデビットの半分以下に抑えられます。

2012年、ウォルマート主導で小売業界は上記の2つを組み合わせることで提携店全てで使えるモバイルウォレットを創ることにしたのが、CurrentCです。

CurrentCが普及すれば面白いことになりますが、米国独自のインフラに基づくものだけに、日本にそのまま普及することは考えられません。とはいえ、日本における、銀行業界を含む決済インフラのあり方に向けた議論に影響する可能性があり今後も注目されます。

なお、Apple Pay締め出しはMCX加盟企業の総意というわけではなく、また締め出しも比較的短期的な施策との見方もあることを付け加えておきます。

参考:米モバイル決済サービス戦争終焉の兆し。数ヶ月後にApple Pay対応店が増えるかも
http://www.gizmodo.jp/2014/11/apple_pay_4.html

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