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米国Walmart Payと店舗内の消費者導線

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vdovichenko/Bigstock.com

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Walmart Payの米国展開

2015年12月に発表されたWalmart Payの概要は12月のインサイト記事でもご紹介していました。それからWalmart Payの展開は順調に進められており、2016年5月の報道によると、対象店舗数は既に1000店舗程度に達したとのことです。

関連情報:

Walmart Payは、既に2200万人のユーザを誇るウォルマートアプリに追加されたQRコード決済機能のこと。店舗レジが表示するQRコードをアプリで読み取ることで、アプリに登録してあるカードで決済します。

QRコード決済においては、決済時に消費者がアプリやバーコードリーダを立ち上げるステップが入ることがフリクションとなります。普通に考えるとこれは消費者の行動導線上のハードルになるのですが、Walmartの場合は若干事情が異なるようです。

それはやはり、既に多くのユーザに使われているアプリへの決済機能追加であること。特にWalmartアプリは、買うべき品物を来店前に登録しておく買い物リスト機能や、店舗内の薬局で便利な処方箋管理機能が既に定着しています。ここで重要なのは消費者はWalmart来店時に店内でアプリを開くことに慣れているということ。そうすると、来店時の最後の行動である決済でもそのアプリを使うことには抵抗は少ないと考えられます。

そのような「消費者の行動導線」という視点から見ると、Walmart PayのUXにはいろいろ工夫があることがわかります。まず下の二つの動画をご覧ください:

(1)有人レジでのWalmart PayデモのYouTube動画。3分11秒からご覧ください。

  1. 有人レジにユーザが来る。
  2. 店員が品物をレジで読み取る間に、ユーザはWalmart PayアプリでレジのQRコードを読み取る。
  3. 店員が品物の読み取りを終えると、自動で決済が行われ、アプリにレシートが送信される。

(2)セルフレジでのWalmart PayデモのYouTube動画。

  1. セルフレジでまずWalmart Payでの決済を選択し、QRコードを読み取る。※実際は読み取るタイミングはいつでもいい。
  2. 品物をスキャンする。
  3. スキャンを終えると、自動で決済が行われ、アプリにレシートが送信される。

https://youtu.be/7c1yy9jxbPI

 

上記のデモ動画を見てみると、QRコードの読み取りがレジ操作中のいつでも可能というのはなかなか便利そうです。従来の思想ですと品物を全てスキャンし終わって支払金額が確定してからQRコード読み取り、ということになりそうですが、Walmart Pay方式だと消費者の都合のいいときに読み取りをすることができますし、有人レジでは店員の作業と並行して行うことができるというのも便利です。

消費者の利便性を考慮して設計されたことが見て取れるWalmart Pay。今後のモバイル決済のあり方の一つの参考になりそうです。

関連インサイト:

(インフキュリオン シンクタンク部門 森岡剛)

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