MST

インサイト

トークナイゼーション

モバイル決済

サムスンペイ、ループペイとMST(磁気セキュア伝送)

Share Button
Fenton 1/Bigstock.com

Fenton 1/Bigstock.com

 

米国にて今夏から開始予定のSamsung Pay(サムスンペイ)。多くの点でApple Payと同等機能を持つモバイルウォレットとして注目されていますが、その目玉は何といってもMST(磁気セキュア伝送)です。本稿はMSTの利用イメージと運用上の課題について考察します。

MST(magnetic secure transmission、磁気セキュア伝送)とは、ボストンのベンチャー企業LoopPayが開発した技術で、磁気ストライプ情報を非接触で照射することで、カードスワイプすることなしに、磁気ストライプ対応の決済端末における非接触決済処理を実現するものです。

SamsungはVisaなどとともにLoopPayへの戦略投資を行ってきていましたが、2015年2月にLoopPayを完全子会社化。MSTを独占使用できる体制を整えました。

LoopPay社の紹介動画(https://www.looppay.com/)を見るとわかりやすいです。スマホに装着したドングルでカードの磁気情報を読み取り、アプリ内にその情報を格納します。決済時にはアプリを操作することで、カードスワイプなしに、スマホによる非接触決済を実現してしまいます。

LoopPayではMSTはスマホケースに搭載されており、スマホとBluetoothによって通信しています。これがSamsung Payでは、MSTがGalaxy自体に搭載されますので、スマホケースは当然不要となります。

Samsung Payの利用イメージは、MasterCardとVisaがそれぞれ紹介動画を公開しています。

関連リンク

今夏にも米国で開始予定のSamsung Pay。MSTによって、米国の既存加盟店の90%以上で利用可能と言われています。(Apple Payは非接触EMV、いわゆるNFC対応端末でしか利用できないため、サービス発表当初の利用可能箇所は22万箇所でした。)

スマホでの指紋認証やEMVCoのトークナイゼーションではApple Payと同等のSamsung Pay。ほぼ全ての加盟店で利用可能という点が大きな優位点となると見られます。

ただし、決済端末との通信という技術面はクリアできるかもしれませんが、加盟店の現場でスムーズな運用ができるのかどうかは未知数です。上で挙げた紹介動画では、顧客自らが決済端末を操作するという場面設定になっています。もし店員が決済端末を操作する(カードスワイプする)現場ですと、Samsung Payを搭載したGalaxyを店員に渡して、店員の操作によってMSTを起動することになります。

非接触EMVに対応していないような加盟店でこのような新しいオペレーションが本当に浸透するのか、関心を持って米国Samsung Payを追っていくことにします。

関連インサイト

(インフキュリオン シンクタンク部門 森岡剛)

Share Button

この記事の著者が所属する企業

決済・金融領域を中心として、自ら独創的なソリューションの開発・運営を行うことにより、多くの企業や一般消費者が革新的なサービスを享受することを目指している企業です。
詳しくはこちらからご覧ください。

決済ビジネスに関するご相談があればお気軽にお問い合わせ下さい

事業戦略からカード商品設計、システム戦略、業務構築に至るまで、決済ビジネスに関するコンサルティングサービスをご提供しています。まずはお気軽にお問い合わせください。